
邪魔なものが写らないよう、撮影は海のそばで行いました。

撮影状況です。
カメラは三脚で固定し、シャッターはレリーズで切ることで少しでもブレを減らします。

打ち上げ前の状態の模型でテスト撮影。
これでもイイ感じですが・・・


レフ板を使うことでディティールがはっきりし、立体感のある陰影になります。
レフ板はダンボール板にプリント用紙を貼り付けた簡単なものですが、それでも効果は大きいです。


主題である打ち上げ時のサターンV模型を撮影しました。
これにPhotoshopで加工を施し、右の画像のような実際の打ち上げ写真っぽさを目指します。

まず空のコントラストを上げます。
実物写真の空が濃いのは露光時間の短さ故と思います。
噴射部の光が大変強いためにそうしたのでしょう。


その噴射部の光の強さをシミュレートするため、長い露光時間でも撮影しておきます。
そして噴射部だけ切り出して通常露光の画像に移します。

さらに、ぼかすことで強い光の溢れ出しを表現します。


噴射口付近は特に光量が多いため、ぼかしを徐々に強くしながら複製します。
リアルタイムCGで使われている川瀬式MGFの要領です。


先端にある緊急脱出ロケット部が太いので、横方向に縮小して細くします。


極低温の液体燃料によってできる氷を表現します。
エアブラシツールで白を吹き、ノイズを加えます。

少し白っぽくなり過ぎているので、暗くして馴染ませます。

噴射口付近のエネルギー量は伊達ではなく、実物写真のようにほとんど白っぽくなるのが適切なので、明るさを上げて修正しました。

実物写真では噴射口から離れたところはガスっぽくなっています。


これを表現するため、部分的にぼかしをかけます。

最後に少しノイズを加えてフィルムっぽさを出します。
もとの写真からは大分それっぽくなったものの、まだ安っぽい特撮さが感じられます(汗)
こういったスケールの違いを表現、分析する際には様々な点を考慮しないといけません。
流体工学ではレイノルズ数を介して異なるスケールの現象を推定したりしますが、写真であれば、光量や被写界深度あるいは被写体のディティールを調整して本物っぽさを目指すことになります。
今回は陰影や被写体のディティール(煙も)が弱いのかなと思います。
模型を使った特撮やCGの技術がヒントになるかもしれないので目を向けようと思います。